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真っ黒だらけ

11月29日(木)、一碧湖へ行ってきた。毎年秋には何処かしらで紅葉を撮るのだが、考えてみると、馴染み深い伊豆でトライしたことは過去に一度もなく、それではと、webの紅葉情報を参考に急遽一碧湖へBMWを走らせた。

一碧湖は東伊豆・伊東駅の南に位置し、大池と沼池という二つの湖から構成される小さな湖である。周囲は高級別荘地、レストラン、美術館等が取り囲み、目と鼻の先にある伊東温泉街の喧騒とは対照的な、静かで落ち着いたムードが漂う。
この湖周辺で撮影を行うのは今回が初めてになるが、実に色々なことを発見し収穫となった。

ロケハンなしのいきなりなので、取りあえず撮影ポイント探しから始めたが、何も考えずに車で直接湖畔へ近づこうとすると、これが中々難しい。道があるなと思うと、ボート乗り場、リゾートホテル等と、殆どの場所が私有地で占拠されており、事実上立入り禁止である。
――― ん、 ペンション街の案内板だ。
誘導看板に従い、きれいに整備された舗装路を下っていく。湖畔に近づきつつあることは確かのようだ。
ゆっくり走りながら辺りを見回すと、どれがペンションでどれが別荘か、はたまたどれが一般住居なのか全く見分けはつかないが、やたらにお洒落でゴージャスな家ばかりが建ち並んでいる。湖と家並みを同じ視野に入れれば、羨ましいことに一碧湖はこのエリアの住人達のプライベートレイクとなっているのが分かる。
――― おっ、あった。
下り坂が終り、更に奥へ進むと、突然左前方に木道を発見、そしてその向こう側には葦の群生が見える。やっと湖畔に到着したようだ。しかもうまい具合に駐車場らしき広場もあったので、躊躇なしに車を停め、早速撮影の準備に入った。
今回は久し振りになる『D1+SIGMA18-125』の登場だ。D1の小気味良い操作感はD100のそれを大きく上回り、毎回使う度そのメカニカルな鼓動に心が躍る。やはりそれが忘れられないから、たまに使いたくなるのだ。
木道を歩き進むと、葦の群生がかなり大規模であることに気付く。白い穂をつけ、周囲の赤や黄の紅葉と共に、これでもかと季節をアピールしている。三脚にD1を載せファインダーを覗く。そこには心擽る伊豆の秋が広がっていた。暫しImaginationの泉に浸かりきる。

en-4
――― カメラの様子が何か変だぞ?
読み込みに時間が掛かり過ぎるし、明らかにシャッター音がいつもと違う。違和感は撮影開始直後から覚えていたが、これが重大なトラブルのメッセージだとは思いもよらなかった。
100mほど歩くと水辺に近づける小道があったので、葦をクローズアップで収めようと、湿地帯のぬかるみまで分け入っていった。そして十数枚を立て続けに撮ると、突然シャッターが下りなくなったのだ。
――― はぁ? そんなばかな。
まだ40枚そこそこしか撮っていないのにバッテリー残量計はOUTを示している。これには参った。バッテリーが寿命にきているのはうすうす分かっていたが、これほど急速に駄目になるとは予測していなかったからだ。一本予備は持参していたが、そいつも寿命的には似たり寄ったり。せっかくご機嫌な撮影ポイントを見つけたというのに…。
あまり期待をせず予備バッテリーに交換して撮影を続けたが、やはり20枚も撮ると完全にシャッターが下りなくなった。なんとも残念で仕方がない。しかも目前の橋のバックには赤と黄がこの上ないバランスで陽光を浴びており、これを撮らずしては帰れない強い感情が爆発した。
――― くそ!だめもとだ。
ここは落ち着いて、一旦2本のバッテリーを懐で温めることにした。少しでも活性が戻れば後5~6枚は撮れると踏んだのだ。休憩を兼ねて15分ほど景観に浸る。

伊豆のビューポイントはそこそこにチェックしてきたと自負していたが、まだまだ押さえるべきところは数多くあり、改めて伊豆の奥深さに敬服。そして海一本やりで、山や川へ余り目を向けなかった今までが悔やまれてしょうがなかった。やはり計画性のなさが撮影機会ロスを生むのだ。

バッテリ-は十二分に温めても既に2枚撮るのが限界であった。
しかし歩けば歩くほどに展望が開け、撮り残しておきたいSceneはどんどんと増えていく。根性一発の“バッテリー温め作戦”だけでは焼け石に水的だったが、なんとか最低ラインの撮影だけは完了させたのである。
元々Nikon・D1シリーズは電気の大食いであり、これが最大の欠点となっている。D1ならまだしも、D1H、D1Xになると、相当数の予備バッテリーを用意しなければ、まともな撮影行は不可能らしい。それと純正のニッケル水素バッテリーEN-4は寿命が短い。一本1万円以上する代物が2年そこそこで使いものにならなくなるのはいただけない。デジタルはフィルム代が掛からないからといっても、常時4本、計4万円のバッテリーを2年間でローテーションしていくのは大変な出費だ。

自宅に戻ったのは20:00過ぎであった。先ずは風呂へ入り、リラックスしたところで早速D1のデータをディスクトップへ転送させた。この瞬間はいつもワクワクする。どんな写真が撮れたのか、色は、アングルはと、心配もするが期待感も大きい。
――― ありゃー、なんで真っ黒なの?
転送されるデータが一枚ずつThumbnail表示されるが、どれも全体が真っ黒で何も写っていない。嫌な予感が走る。心を落ち着け全ての転送が終った後、Nikon viewで確認することにした。
新規に自動作成された「2007-11-29」というフォルダをダブルクリックする。
――― ゲ、ゲェェェェェェェェ!!
真っ黒だらけがずらっと並んでいるではないか。その中に埋もれるように、ほんの数枚だけまともな画がある。これはどうした事態だ? 黒いThumbnailをクリックしても、やはり黒い画面しか出てこない。総撮影枚数85枚中、ちゃんと撮れていたのは悲しいかな18枚だけ。シャッターは下りたのに、こんなことってあるのか。
――― D1もついにお釈迦?!

翌日、Nikonサービスセンターへ問い合わせたところ、D1はバッテリーの寿命が近づき内部抵抗が増大してくると、シャッターは下りても画像データを取り出せなくなることがあるそうだ。バッテリーの内部抵抗アラームの新機能は、D1X、D1Hのみファームウェアのアップデートで対策可能だが、私の愛機はD1なので、バッテリーチェックをするとなると、その都度サービスセンターへ持ち込まなければならない。まだまだ現役バリバリのD1につき、これは困った問題だ。


  1. 2007/12/07(金) 12:54:46|
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