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またまた陽和会

ロックの調子が戻ってきた。食欲はモリモリだし、散歩もぐんぐんとリードを引っ張っていく。MRIの結果でも分かるとおり、幸い重大なヘルニアではなかったので、恐らく人間にもよくある一時的な腰痛が起こってしまい、それが徐々に回復しているところなのだろう。元気に歩き回る姿を見ていると素直に嬉しいが、反面、ぶり返さないように十二分な管理も必要なのだと痛感する。

ロックが元気になっていくことは実に喜ばしいことなのだが、情けないことに今度は自分の調子が下降線になっている。数年来癖のようになっていた左脇腹の鈍痛が頻繁に出るようになってきたのだ。
5〜6年も前からだろうか、長時間のディスクワークで疲れが溜まったときなど、決まって左脇腹に違和感を覚え、さすったり上半身の伸びを繰り返すなどして、その場その場を誤魔化してきた経緯がある。唯、痛みの程度は低く、症状が現れても1時間ほどすれば気付かぬうちに治ってしまうレベルであった。ところが2ヶ月ほど前から1週間に2度3度は確実に発症するようになり、更には痛みが1日中続くことが多くなってきた。そしてここ1ヶ月間はレベルの差こそあれ、殆ど毎日症状が現れるようになったのだ。
春に行った人間ドックでは尿検査で潜血反応が出てしまい、おまけに内臓の超音波検査で左腎臓に嚢胞と結石が見つかってしまったのだ。この結果を示されれば、左脇腹鈍痛と左腎臓に何らかの関連性ありと疑ってもみたくなる。
元々人間ドックでの判定は「要再検査」であったから、せっかく取った二日間の連休ではあるが、これを機会に陽和会病院できちっと診てもらうことにしたのだ。

初日。泌尿器科での診察を申し込み、待合室で暫く待っていると、若くてスタイルのいい看護婦さんが近づいてきた。
――― 採尿をお願いします。それが終ったら血圧を測りますね。
そうだ、先ずは検尿なのだ。こんな基本的なことを忘れてしまい、出掛けに思いっきり用を足してきたのだ。
採尿室では腹筋を使い、搾り出すように頑張った。因みに血圧は120-70と理想的!

診察室へ呼ばれ、担当となった先生へ脇腹痛の経緯を詳しく説明する。ついでに人間ドックの結果表もみてもらった。
――― ん〜、鈍痛ですか。
なんやら、難しい顔をしている。
徐に私の背後へ回ると、腎臓の背中側をとんとんと軽く叩いた。
――― 響きますか?
いいや。素直に答える。
胸部X線検査で判明している、胸膜肥厚に何らかの関連性があるのではないかと尋ねてみると、
――― それはなんとも言えないですね。それに今回の尿検査では潜血は見られませんでしたよ。
果たして痛みはどこから来ているのだろう。
――― とにかく綿密に検査してみましょう。先ほどの採尿から悪性細胞のチェックもできますし、あとは腹部のCT撮影が必要でしょう。
なるほど、かなり本格的になってきた。さすが“泌尿器科の陽和会”である。
せっかく連休になっているので、明日の予約状況を調べてもらうと、ラッキーなことに翌朝の一番が空いていた。

二日目。病院に着くと殆ど待たずしてレントゲン室へ案内された。
若いレントゲン技師が色々と事前の説明をしてくれ、確認事項を一つ一つ丁寧にチェックしていく。CTスキャンのベッドへ横になり、ズボンを膝の位置まで下ろす。最初は造影剤なしでの撮影だ。
――― ちょっと寒いですが、暫く辛抱してくださいね。
確かにこの部屋は寒い。数年前に大変な思いをした、日赤の手術室を思い出す。

――― 次は造影剤を入れて撮影します。今、看護婦さんが来ますからちょっとお待ちください。
造影剤か。あの時は頭部の撮影だったな。
――― 造影剤が入ると体に熱を感じます。ほら、これがその造影剤です。
レントゲン技師から差し出された太いチューブに触れてみると、ちょうど“人肌”になっている。なるほど、この温められた造影剤が体に入るからポカポカしてくるのだ。

――― どーも、よろしくお願いします!
元気のいいベテランらしき看護婦さんがレントゲン室へ入ってきた。
――― 造影剤は初めてですか?
いいえ、数年前に一度、、
――― なーんだ、それなら安心。それじゃ、ちょっとチクッとしますね。造影剤を入れるときに痛みを感じたら言って下さいね。
手際がいい。点滴針が速やかにセットされた。造影剤は最初少しだけ入れて、体の反応を見る。人によっては頭痛がしたり、発心が出たりする場合があるそうだ。
――― 大丈夫ですね、それでは全部入れていきまーす。
胸の辺りに熱を感じ始めた。なんとなく体全体がほわ〜っとしてくる。気分は全然悪くない。寧ろCT装置がゆっくり動いているのを見ていると、とてもリラックスしてくる。

レントゲン技師の指示通りに、息を止めたり吐いたりしていると、
――― はい、終了です!
もう終わりか。あっけないものだ。先回の胃カメラに続き、陽和会の検査は実に鮮やかなのだ。

二日間に亘る検査の結果は、11月2日に判明する。いつもながらドキドキするが、こうしてひとつひとつをつぶしていくしかやりようがないと思う。
さて、よくあることだが、病院へ行き始めたら、なんと日ごと悪化してきた筈の脇腹鈍痛が、さほど感じなくなってきたのだ。病は気からというが、このまま治ってしまったら、別の意味で不安だ。
とにかく健康あっての仕事、遊び、写道楽である。
  1. 2007/10/25(木) 18:43:47|
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ガニ股歩行

今年の5月14日。女房と二人で出掛けた山歩きだが、最初は御前山の頂上を目指そうと意気込んで歩き出してはみたものの、実は昼ごはんを食べた時点で女房からギブアップ宣言が出てしまったのだ。
――― OK。無理は禁物。それじゃ引き返そう。
そこはちょうど行程の中盤地点であり、小河内峠方面から来た場合、最初のカタクリ群生地にあたるところだ。新緑は充分に満喫できたし、それより温泉に浸かってゆっくりしたいなとも思ったから、私も素直に頷き、来た道を戻ることにしたのだ。正直その日は楽しめたし、初めて行ってみた「もえぎの湯」も中々いい温泉であった。
御前山1

しかしだ、いつ頃からか“あの先”はどうなっているのだろうかと、ことある毎に思い出してしまうようになる。
それにいくら低山とは言っても、山登りは達成感在ってこそ続けられる遊びであって、頂上に立つことにより初めてひとつが完結するものだ。だから先日三頭山へ登ろうと計画した時も、
――― どーするかな、、先に御前山を片付けた方がいいのかな。
なんて悩んでいたほどである。

10月11日。連休を取った初日に迷わず御前山行を決定した。
遅い時刻ではある8:00に自宅を出発すると、登山口のある月夜見第2駐車場へは10:30に到着した。先ずは周囲を見回すと、うちのBMW以外には白い軽がただ1台いるのみ。ひと気のない山道は最高だが、これほどになるとちょっと寂しいかもしれない。

軽く準備運動をしてから出発した。
ここのルートの特徴である初っ端の長い坂道を下っていく。坂道に弱い左膝なので、庇うようにゆっくりと歩を進めた。平行歩道を過ぎると、急ではないがだらだらとした上りが続く。女房と歩いた時は、会話をしていたせいか、それ程きつさを感じなかったが、一人黙々と登っていくと肩で息をしていることに気がつく。気温はそれ程高くないのに、小河内峠へ着く頃にはポロシャツの背中が汗でぐっしょりとなっていた。山歩きの前半戦は、体が慣れてこないこともあり、楽勝と思える行程でも案外堪えるものだ。
先回折り返した“昼食地点”を過ぎると、厳しい上りが連続してきた。今更だが、あそこでUターンしたのは女房にとって正解であった。
惣岳山へ着いた頃には体の暖気もほぼ完了。道標によるとここから御前山までは600m。休むことなく一気に頂上を目指した。

最後の急坂を上り切ると、そこには眺望も余りなく、静けさと寂しさが混同する平凡な頂上があった。とにかく一服と、リュックを下ろしてベンチに越しかける。すると間もなく反対側の登山路から年配夫婦が息を切らせながら上ってきた。
――― いやぁ〜疲れた、、こんにちは〜
見たところ60代半ばだろうが、話をしてみると登山の経験もかなりあるようで、羨ましいくらいに元気を発散していた。彼らも登山口までは車で来ているとのことだ。
この後は夫々昼食とした。


山で食べる食事は格別だが、今回はそれを更に際立たせる美味を手に入れたのだ。朝に立ち寄った上野原のスーパーで買ったおにぎりがそれ。山で食べる何某を差し引いて余る旨さがあり、具もご飯も文句のつけどころがない。山登りには米の味が濃いセブンイレブンのおにぎりと決めていたが、これで選択肢が増えたようだ。

おにぎりとドーナッツで満腹になると、ベンチで少し横になった。穏やかな陽光を全身に浴びていると、たちまちうつらうつらとしてくる。ほんの2〜3分であるが、あまりの気持ち良さに、つい眠りに落ちてしまう。

疲れも取れたし、頭もすっきりした。後は来た道を戻るだけだ。
しかし私の場合はここからが正念場。下り坂に弱い左膝は、いつ痛みが出るか予測がつかない。早い時点で症状が出れば、長丁場に亘り苦痛を強いられる。正に爆弾を抱えているような状態なのだ。

今回は何とかそれを緩和できないものかと、スタート直後から歩き方に工夫を凝らしてみた。その工夫とは『ガニ股歩行』である。下り坂になったらやや膝を曲げ、重心を低くしてつま先を外へ向けるのだ。実際、今までの山歩きで痛みが出ると、効果は小さいが、この歩き方で急場をしのいできた。よってこれを最初から、つまり痛みの出る前から行っていれば、左膝への負担は大幅に軽減でき、願わくは最後まで快調に歩き通せるのではないかということである。

惣岳山までは特に急坂が続くので、慎重に一歩一歩降りて行った。踏み外しでなどで左膝へ唐突な力が加わると、たちまち痛みが起き始めるから、本当に一歩一歩だ。
ゆるい下り坂にも落とし穴がある。一見簡単で負担も掛からないように思われるが、注意しないとこの様な坂ではついつい歩行速度が上ってしまい、ちょっとした油断で鈍い痛みが起きることがある。太股に大きな負担は掛かるが、こんな時こそ低く構えるガニ股歩行で、先を急がずゆっくりと歩くことが肝心である。
御前山2

1時間程歩き、平行歩道へ差し掛かかる頃になっても左膝に全く問題が出ないことに気が付く。同時に気分が高揚してきて足取りも軽くなる。
――― このままいけるかも。。。
復路の中盤地点はアップダウンの連続だ。更に慎重を期し、速度を調整しながら歩く。
そして更に1時間が経った頃、前方に壁の如く聳える最後の急坂が見えてきたのだ。
――― おおっ、もうすぐゴールだ!でも足は万全♪
御前山への月夜見ルートは、楽で初心者向きとは言え、往復4時間以上歩いても左膝が全く痛まない事実は、ガニ股歩行に高い効果があるという証なのだ。

こんな嬉しいことはない。山に入りじっくりと写真撮影を楽しんでも、その後の下山で毎回辛い思いを強いられて、何となく山から足が遠のいていたのが現状なのだ。今後この歩き方をよりいっそうブラッシュアップしていけば、撮影の行動半径は確実に伸びていくだろう。

次は秋の茅ヶ岳かな。



  1. 2007/10/18(木) 13:43:13|
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伊豆の魅力

伊豆は昔から大好きなところである。家族旅行、バイクツーリング、写真撮影と、それはもう様々な楽しみを味わいに、幾度となく訪れている。
伊豆の魅力を一言と問われたら、「多様な景観」と「暖かさ」と答えるだろう。私の場合、子供の頃に沼津で育ったことが伊豆への印象を大きく決定付けたような気がする。感受性の原点と言ったら大げさかもしれないが、海、山、道、そして町並み等へ対する美しさの判断基準は、その時代に身に付いたものだと思っている。

izu1


小学4年生の時、親父の転勤に伴い、家族全員で東京から沼津へと引っ越した。
そこで見聞きし体験したことはどれも初体験に近いもので、都会育ちの少年を虜にする要素は町中に溢れかえっていた。道路の側溝である「ドブ」にはきれいな水が流れ、そこには小魚やカニが棲んでいた。殆どという町中の樹木には、夥しい数の蝉がやかましいほどに鳴いていた。夏休みのある日、弟と二人で蝉捕りにでかけたのだが、虫箱に入りきれなくなる大漁に困り果てたのを憶えている。
そして最もインパクトのあったのはやはり海だろう。社宅から歩いて7〜8分足らずのところに大海原が広がっており、時間さえ空けばいつでも釣りやテトラポットの森で磯遊びができるという、正に夢のような世界がそこにあったのだ。
お気に入りの場所である千本浜や赤灯台からは、いつでも大瀬崎を手前に伊豆半島を見渡すことができ、私にとってその巨大で重々しい姿は、好奇心溢れる未知の世界の筆頭であり、いつの日か必ず探検してやるぞ!と誓ったものである。伊豆は子供心を躍らせる沼津より更に凄い何かがあるところだと、当時は確信の境地に入っていたのだ。

「多様な景観」は子供時代に培った感受性の延長上にあるようだ。
一般の人が見たら単なる磯であっても、そこが伊豆なら遊び場である。小川もそう。水辺に佇み小動物や植物を観察したくなる。点在する漁港にも同様な気持ちが働いてしまうし、あの富士山だって単体で眺めるより、西伊豆の岬越しに見たほうが優しさを感じられて好ましく思う。
普通なら流してしまう景観でさえも、伊豆ならばその裏側も見たくなる不思議な欲望を覚えてしまうのは、やはり子供の頃に始まった“永遠なる探究の対象”だからではないだろうか。その独特な観点があるからこそ、伊豆の景観を多様に見せてしまうのだ。

伊豆はいつどんなときも寛容な気がしてならない。
――― 子供の頃から大好きな伊豆へようこそ!
伊豆へ行こうと決めた瞬間からこんな声が聞こえてくる。仕事でツーリングをする時でさえ楽しくなるのだから、これはもう病気に近いかもしれない。だからなのだろう、伊豆のどこへ行っても仄かな暖かさを感じてしまうのだ。目的なしに半島を一周することも屡だが、つまらなかったことなど一度もなく、それどころかそこへ身をおくだけで満足している自分を発見してしまうこともある。
そしてその大好きな伊豆を“脳裏に描くイメージどおり”に撮り上げてみたくなるのは至極自然な流れであり、その欲求は年々大きくなっていくのだ。
さあ、どこからどの様に始めようか!


スペシャルミートソース


話は全く変わるが、今日の昼に作ったスパゲティーが余りにも美味しかったのでちょっと報告したい。
いつものペペロンチーノと同様にエクストラバージンオイルでニンニクと鷹のつめを軽くフライし、そこへあらかじめ暖めておいた市販のミートソースを加えて一煮立ちさせ、茹でたてのパスタと絡ませる。
至って簡単な一品だが、こいつが予想を超える馬鹿ウマなのである。
絶対に玄人受けしないレトルトパックのパスタソースが見事専門店の味に化けたのだ。


  1. 2007/10/04(木) 15:26:33|
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